北海道のカラマツ人工林のデータを解析し、林齢と被害率をもとに、1年間の食害回数と樹高成長を推定するモデルを作成した。このモデルから、樹高1mに達するまでの期間が1年長くなるのは非常に激しい被害を受けた林分に限られることがわかった。 北海道の人工林内の広葉樹稚樹や奈良県大台ヶ原の天然林の小径木の調査から、シカの個体数管理をすすめても天然更新の回復は難しい可能性が示唆された。 日本では林業被害軽減を目的としたシカ管理は難しく、農業被害や交通事故など多様な影響を考慮した公的資金による管理が不可欠であると考えられる。
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