植物の光合成は複雑な反応で、その中にはアンモニアを発生する“光呼吸”という代謝系が含まれます。定説では光呼吸において発生したアンモニアは、葉緑体にあるグルタミン合成酵素(GS2)によって直ちに同化され、グルタミンというアミノ酸になるとされています。一方で、このような知見は、作物や広葉樹など被子植物を用いた研究結果をもとにしており、裸子植物である針葉樹についてはよくわかっていませんでした。本研究によって、針葉樹の葉は、これまで必須と考えられてきたGS2は存在しないこと、さらに、針葉樹の葉は被子植物の葉に比べ、光呼吸で発生したアンモニアの同化効率が低いことが明らかとなりました。
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