1)食用ビゼンクラゲのプラヌラの好適的塩分範囲(10~32)、エフィラの出現塩分範囲(15~20)から、ポリプ生息場所は有明海奥部の六角川河口域である。本水域の環境を健全に保全することが本種資源の安定供給に重要である。2)幼メデューサの分布は河口域近くの水域に限定されるので、漁業との競合を避けることが重要である。3)メデューサは6~7月に最も急速に成長するので、クラゲ漁業の解禁日をできるだけ遅くすることが資源の有効利用につながる。4)今日のビゼンクラゲ大発生をもたらした原因は、筑後川大堰、諫早湾干拓の2大公共事業による海域環境悪化、水産資源の激減に起因する。かつての宝の海はクラゲの海になった。
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