研究課題/領域番号 |
16K07832
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
日高 清隆 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 主任研究員 (70371838)
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研究分担者 |
清水 勇吾 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, グループ長 (10371791)
廣江 豊 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 主任研究員 (20371833)
日下 彰 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 主任研究員 (30371785)
小埜 恒夫 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 国際水産資源研究所, グループ長 (40371786)
長井 敏 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, グループ長 (80371962)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | 動物プランクトン試料 / 遺伝子分析 / パラカラヌス属カイアシ類 |
研究実績の概要 |
中央水産研究所が実施している定線調査を利用し、本課題用の試料として2016年10月、2017年1, 2, 3月に試料を採集した。定線は東経138度線上に設置され、北緯34度30分から30度を主要な観測範囲とするものである。当該経度付近において、記録のある限りにおいて黒潮はこの緯度範囲を通過する。また、測点間隔は原則として緯度30分おき、観測時の黒潮流軸の位置に応じて、流軸周辺では15分おきとした。各採集点において、試料を0-50mまたは0-200mより目合100マイクロメートルのノルパックネットにより採集し、エタノール保存した。また、水温・クロロフィルの鉛直分布等の環境条件についての観測を行った。 予備的な分析として、これまでに定線調査で得られたエタノール保存試料を用いて、パラカラヌス属カイアシ類の遺伝子分析を行った。観測海域では従来よりParacalanus parvusとされる種が、環境中の群集内での優占種であるとともに魚類の餌料としても重要とされているが、大西洋で原記載されたP. parvusと同一種であるか、またそれ以前に単一種であるかが未解決の問題とされていた。本種は本課題で想定する主要な対象種の一つでもあることから、定線調査で得られた試料について、遺伝子ならびに形態分析による検討を行った。その結果、"Paracalanus parvus"と同定されてきた個体は、未記載種1種を含む3種からなることが明らかとなった。 上記の分析によって、担当者の研究環境における遺伝子分析の体制を整えるとともに、本研究において、環境中で強く優占する上述の未記載種、ならびに他の高次分類群に属するカイアシ類数種を対象種とすることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに調査航海が行われ、黒潮周辺海域で動物プランクトン試料を採集することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
交付決定が10月であったため、2016年度は試料採集が中心となった。今後はデータ取得のための試料分析とデータ解析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
交付決定が10月であったが、当初申請時の初年度計画を実行できると考えて予算申請を行った。しかしながら予定外の調査航海を実施したこともあり、試料の分析については計画通りに実施できず、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度に採集した試料に対する遺伝子分析に必要な消耗品類(実験器具・薬品)を購入する。
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