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2017 年度 実施状況報告書

外乱影響下における漁業調査船の運動特性と観測時の最適操船に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K07835
研究機関北海道大学

研究代表者

前川 和義  北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (80250504)

研究分担者 木村 暢夫  北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (50186326)
安間 洋樹  北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (50517331)
研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2019-03-31
キーワード漁業調査船 / 海洋観測 / CFD / PIV
研究実績の概要

漁業調査船は,水産生物資源の探索・捕獲や海水採取などの調査研究業務に従事しており,水圏における生物資源管理のためのプラットフォームとして重要な役割を担っている。本研究は,適切な資源管理に不可欠な漁業調査船の性能の高度化・高効率化を行う観点から,風,波浪,潮流などの外乱影響を受ける環境下での観測で調査船に求められる運動性能を明らかにするとともに,様々な観測に応じた運動性能と最適な操船手段について明らかにすることを目的としている。
漁業調査船の運動性能を推定・評価するため,本研究では数値シミュレーション手法を用いるが,その実施には調査船の船体や観測・調査機器の流体力学的特性を,水槽実験や数値計算によって把握しておく必要がある。
平成29年度は,前年度に実施した洋上での漂泊状態に加え,航走しながら観測・調査を行う状態へと船体運動の範囲を拡大し,船体および観測機器を対象としたPIV(Particle Image Velocimetry)手法による流場の可視化とCFD(Computational Fluid Dynamics)手法による流場解析を進めた。具体的には,各種の観測結果に少なからず影響を及ぼすと考えられる船体周囲の流場に関して,ビルジキールによる減揺効果と周囲流場との関係,航走による船首造波,船底部の魚群探知機周辺に生じる流場について検討を行った。また観測機器の面からは,定量採集具の観測精度に影響を及ぼすと思われる網口周辺の流場などを対象として検討を行った。さらに調査船が有する運動性能の観点から,観測の際の船位制御に一般的に用いられるサイドスラスターの性能特性に関する研究についても行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度に実施した漁業調査船の漂泊時を想定したPIV実験とCFD計算による流場解析に加え,航走時における船体および観測機器の周囲流場について解析を進めることができ,得られた結果から,観測機器の性能に影響を及ぼすと考えられる流体力学的な要因を見出すことができた。これらのことから,調査船に求められる運動制御性能の検討に必要となるデータが着実に得られていると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後も引き続いて漁業調査船や各種の観測・調査機器の流体力学的特性を水槽実験および数値計算によって取得するとともに,外乱影響を受ける実際のフィールドで観測・調査を行う観点から,調査船に必要となる運動制御性能について検討を進める。
また,船体運動が観測機器や計測結果に及ぼす影響についても検討を行い,各種の観測・調査時の最適な操船手段を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

予定していた一部の実験について,準備の遅れが生じたため実施ができなかった。
生じた次年度使用額については,翌年度分とあわせて実験のための出張旅費として使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] CFDを用いた小型漁船の横揺れ運動の推定2017

    • 著者名/発表者名
      山根光夫,三好潤,前川和義,木村暢夫
    • 学会等名
      日本水産工学会
  • [学会発表] NORPACネット網口周辺の流場推定2017

    • 著者名/発表者名
      井高洋輔,高橋勇樹,安間洋樹,木村暢夫
    • 学会等名
      日本水産工学会
  • [学会発表] CFDを用いた漁船航行時の造波現象の推定2017

    • 著者名/発表者名
      橘内昴輝,木村暢夫,前川和義
    • 学会等名
      ANSYS Convergence 2017 Student Poster Contest
  • [学会発表] CFD解析を用いたバウスラスター性能に関する研究-前進速度影響軽減の試み-2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木雅敏,前川和義,安間洋樹,木村暢夫
    • 学会等名
      数理水産科学会

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公開日: 2018-12-17  

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