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2018 年度 実績報告書

ケンサキイカの食性は漁場・漁期・漁法で異なる

研究課題

研究課題/領域番号 16K07844
研究機関長崎大学

研究代表者

松下 吉樹  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (30372072)

研究分担者 菅 向志郎  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (60569185)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードケンサキイカ / 漁法 / 餌生物 / 共食い / DNA分析
研究実績の概要

東シナ海から日本海西部の海域において底びき網,定置網,灯光利用イカ釣りにより715個体のケンサキイカを採集した。これらの採集方法では,水域と採集時期,採集時間帯,人工光の有無が異なった。漁場(東シナ海南部,北部,玄界灘),水深(50 mを境に深浅),漁法別に空胃率,共食い率を一般化線形モデルによりロジスティック解析を行ったところ,空胃率はすべてのパラメータに対して有意であった。これはケンサキイカが場所や季節ごとに入手しやすい餌生物を捕食する日和見的な食性を示すことを示唆したと考えた。ただし,東シナ海の南北でこの関係は有意では無かった。また,漁法については定置網とその他の漁法で違いが見られた。一方,共食い率は漁法と水深を含むモデルが採用されたが,水深の影響は有意でなく,共食い率は漁法により異なることがわかった。底びき網で共食い率が高い傾向を示したが,これはコッドエンドに集約されたケンサキイカが揚網までの間に同種に噛みついた可能性が高いと考えられる。
胃内容物が見られたケンサキイカ135個体がBLAST解析に供され,そのうち90個体の胃内容物が特定された。胃内には魚類28種,その他の生物5種がみられ,もっとも多く観察されたのはカタクチイワシで全体の22%,次いでケンサキイカ(15%),キビナゴ(11%)の順であった。一方,胃内容物からは水産重要種で高次捕食者でもあるブリやマハタ,クエ,マルソウダ,ヒラソウダ,トラフグのDNAが特定される場合もあった。これらの水産重要種がケンサキイカに捕食されている実態も明らかになったが,その観察数は全体の1割程度であった(90個体中10個体)ことから,これらの水産資源への影響は限定的であると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 東シナ海で使用される調査トロール網の漁獲性能の比較2019

    • 著者名/発表者名
      鄭程模・松下吉樹・ 酒井 猛・川内陽平・依田真里・青沼佳方
    • 学会等名
      平成31年度 日本水産学会春季大会

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公開日: 2019-12-27  

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