| 研究課題/領域番号 |
16K07854
|
|---|
| 研究機関 | 東邦大学 |
|---|
研究代表者 |
白木原 美紀 東邦大学, 理学部, 訪問研究員 (30449251)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| キーワード | スナメリ / 育児海域 / 飛行機調査 / 行動観察 / 出産期 |
|---|
| 研究実績の概要 |
水深50ｍ以浅の沿岸域に生息する小型鯨類スナメリの鹿島灘・九十九里浜沖個体群の育児海域を推定することを目的として，2016年6月，7月，11月，2017年3月に飛行機目視調査(総飛行距離1200km，75群130頭を発見)と，2016年4月から2017年3月まで月1回，陸上からの行動観察（調査時間62時間，84群159頭を追跡）を実施した．
出産末期と考えられる6，7月の飛行機調査では，各々茨城県鹿島灘と千葉県九十九里浜沖の水深50m以浅の広範囲にわたる海域を飛行したが，親と同伴したスナメリのコドモは水深20mより浅い海域でのみ発見された．その結果と本研究に先行して実施された千葉県銚子周辺海域における飛行機調査の結果をもとに，本研究の対象海域をこの個体群の主な分布域の中の水深20m以浅域とし，11，3月の調査では調査対象海域に新たに設定したコースを飛行した．出生直後と考えられるコドモは水深15m以下，岸から3km以内の海域で発見された．茨城県大洗周辺で出生直後と考えられる個体を発見した．
陸上観察は千葉県銚子漁港内を対象海域として実施した．調査を行ったすべての月で発見があった．先行研究により銚子沖合海域では出生直後と考えられるコドモが発見されているが，漁港内にも，メスと，体長がその半分程度で体色の黒い新生児が出現した．メスは採餌のために漁港を利用すると推察された．新生児の出現は5-7月に集中した．本個体群の出産期は春から夏と推定されているが，その結果と矛盾しなかった．
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
飛行機や陸上からのスナメリの観察は，発見率の低下を防ぐために，白波の無い穏やかな日に実施する必要がある．11月の飛行機調査を除き，おおむね良好な天候下で実施できており，相当数のスナメリを発見できている．
|
| 今後の研究の推進方策 |
スナメリの出産盛期と考えられる4-6月に集中的に飛行機調査を実施して育児海域を推定し，その海域特性を明らかする．
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度5月に予定していた飛行機調査が天候不良などの影響で実施できなかった．スナメリの出産盛期が4-6月と推定されているため，次年度5月に，次年度分の飛行機調査に加えて本年度分の飛行機調査も実施することとした．
|
| 次年度使用額の使用計画 |
スナメリの鹿島灘・九十九里浜沖個体群の主分布域の水深20m以浅域に設定したコースに沿ってスナメリの飛行機調査を実施する．
|
