研究課題/領域番号 |
16K07860
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
佐藤 純 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, 主任研究員 (10443350)
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研究分担者 |
米加田 徹 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, 研究員 (40597944)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ウイルス / クルマエビ / ワクチン / 生体応答因子 |
研究実績の概要 |
WSSVの主要構造タンパク質をネイティブに近い状態で発現させるため,リフォールディング効率の改善が期待できる大腸菌K-12株由来のホスト株を選択して(OrigamiTM 2(DE3)),ウイルス構造タンパク質VP28の発現系を構築し,リフォールディング条件を決定した。Hisタグ精製を行うことで,目的のタンパク質を取得した。一方,クルマエビ由来の生体応答因子の組換えタンパク質は,CHO発現系で取得し(分泌),Hisタグ精製した。WSSV組換えタンパク質(VP28等)を一相目に固相して,ブロッキング後,二相目にクルマエビ由来の組換え生体応答因子を反応させ,WSSV組換えタンパク質あるいは組換えクルマエビ生体応答因子の抗血清で検出するELISA法を実施した結果,抗原抗体反応を示す結果が判然としなかった。そこで,試験管内で,精製WSSVと組換えクルマエビ生体応答因子を反応させ,遠心沈殿物を炭酸緩衝液に再懸濁して,ELISAによるVP26,28等の検出を行った結果,WSSVとPBSあるはBSAを反応させた場合に比較して,生体応答因子を反応させた場合に有意に吸光値が高くなり,WSSV構造タンパク質を補足していることが確認された。 クルマエビ生体応答因子由来の組換えタンパク質2種類について,48種類の糖鎖固定金チップを用いて結合性解析を行った結果,いずれもコンドロイチン硫酸に結合性が高く,特にタイプEによく結合することが分かった。また,ヘパリン系にも結合するが,コンドロイチン硫酸に比べると弱かった。なお,WSSVの糖鎖結合性解析については,ウイルスの精製収量がアッセイ量に満たなかったため,収量を確保したのち実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウイルスの精製量が糖鎖結合性解析に必要な収量を得られなかったものの,精製手法の改善により,目的の収量を得られる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
上述のウイルス側の糖鎖結合性解析と,既に得られている生体応答因子の解析結果から,クルマエビ生体に起こる免疫様現象の機序の一端を示すことを目指す。
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