ハタ科魚類の種苗を安定的に生産することは困難で、現在の生産技術を改良する余地が多く残されている。そこで本研究では、我々がこれまでに扱ってきた小型のカンモンハタから得られた基礎的な生理学的知見を元にして、実際に種苗生産を行っているハタ科魚類二種(キジハタ、クエ)の種苗生産技術を高度化させることを目標としている。本研究では主としてハタ親魚の性のコントロール技術の開発に取り組んだ。その結果、アンドロゲン投与によって通常のメスからオスへの性転換を誘導する事に成功した。しかしながら逆方向のオスからメスへの性転換を誘導する事は出来なかった。そのためハタ科魚類の性的可塑性が性転換後に低下すると考えられた。
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