研究課題/領域番号 |
16K07890
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 義明 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (80210730)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 種子法 / 種苗 / 植物知的財産 |
研究実績の概要 |
2017年9月と12月に各10日間にわたり、マレーシアキャメロン高原及びタイ北部のイチゴ生産と種苗生産利用について調査を実施した。他に東南アジアにおいてもスーパーマーケットが主流となりつつある青果物流通において、生産者がF1種を採用する要因について個別経営分析を通して明らかにした。この内容については投稿準備中である。論文では、F1を中心とした商業的育種、及びバイオメジャーによるGMOを中心とした商業的育種、そして国などの機関による公的育種、さらに農民的育種の役割に分けて、アジア地域を中心とした種苗供給と植物遺伝資源利用に関する問題整理を行う予定である。 また現地調査を2回実施して特定の園芸品目(イチゴ)を例として資料収集と聞き取り調査によって、種苗供給のパターンを探った。中間層が増大してきた東南アジアにおいてイチゴなどの園芸品目は需要増が見込まれており、従来の加工中心の利用から生食用の高品質品種の普及が急速に進展している。調査ではわが国のイチゴ品種が東南アジアにおいて、どのように導入され、また育種材料として利用されているかが明らかになった(未発表)。 最後に中国における穀類の品種開発における公的セクタと竜頭企業の役割について明らかにする課題は達成できなかった。アジア地域ではGMO栽培が制限されているため、主に公的セクタによる品種改良と固定種を中心に穀類の種子供給が行われており、前年までに公刊した論文において、この領域について十分な記述がなされておらず、新たに生じた問題に十分に対処できていたいため、補足的に研究論文の発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、1、公的セクタによる種子、種苗供給の社会的役割について、研究発表・論文執筆を行うこと。2、東南アジア調査を再度実施し、残された課題である品目別の種子、種苗供給の特徴を再整理すること。3、中国調査を実施し、飼料穀物需給に関連する国内作目転換と輸入の関連を明らかにすること。4、穀類品種開発における公的セクタと竜頭企業の役割分担について明らかにすること、5、ハイブリッド稲と耐塩性品種、及び工芸作物における在来種維持についてのインド調査を実施することを計画した。 しかし種子法廃止の全般的影響を把握することができなかったため大幅に研究が遅延した。また中国調査の聞き取り対象者との間で日程調整ができず、やむをえず主に国内と東南アジア調査に絞って調査研究を実施するにとどまった。したがって項目1,2はほぼ達成できたが、3以下の研究の進捗が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
(今後の研究の推進方策) 前年度に研究発表を予定していた執筆中論文及び今年度に執筆依頼があった学会編纂の『農業経済学事典』のバイオテクノロジーに関連する項目について年度前半に公開にむけての準備を終える。 主要農作物種子法に関連した研究に予想以上に時間がかかったため、予定していた中国調査等を延期せざるをえなかった。そのため、その部分について研究の遅延が生ずることになった。2018年度中に中国調査(10日間程度)を実施することによって研究目的を達する予定である。7~8月にかけて、中国調査を実施し、飼料穀物需給に関連する国内作目転換と輸入の関連、穀類品種開発における公的セクタと竜頭企業の役割分担について明らかにすること、ハイブリッド稲と耐塩性品種、及び工芸作物における在来種維持についての調査を行いたい。インド調査については費用と時間の関係で予備調査実施までとして、本研究計画での本格的実施は延期する予定である。 。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由と使用計画) 研究の遅延のため、中国調査及びインド調査の実施ができなかったため予算を繰り越した 前年度繰越額、約66万円については7から8月に実施する予定の中国調査旅費、コーディネーター及び通訳への謝金及び交通費、統計資料代に充てる予定である。また26年度予算については、東南アジア旅費(マレーシア、タイ、シンガポールを予定)、国内旅費(広島、仙台を予定) 、英文論文校正料、中国語資料翻訳謝金に充てる予定である。日程上も予算の制限からもインド調査は本格的な調査研究を実施することは難しくなったので、本研究計画では本格的調査を見送ることにならざるをえない。
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