研究課題/領域番号 |
16K07890
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 義明 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (80210730)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 植物知的財産 / 種子 / 種苗 |
研究実績の概要 |
2018年12月にタイ北部のイチゴ・花卉生産と種苗生産利用について調査を実施した。他にF1を中心とした商業的育種、及びバイオメジャーによるGMOを中心とした商業的育種及び国などの機関による公的育種及び農民的育種の役割に分けて、アジア地域を中心とした種苗供給と植物遺伝資源利用に関する問題整理を行い執筆した(未公刊)。またアジアにおける青果物流通革命と種苗転換の関係について研究会で発表を行った。アジア地域ではGMO栽培が制限されているため、主に公的セクタによるF1品種と固定種を中心に穀類の種子供給が行われているが、米国における代替燃料需要が激減したトウモロコシの輸入拡大による穀類の生産減少が見込まれていることが資料分析によって明らかになった。他方中間層が増大してきた東南アジアにおいてイチゴなどの園芸品目は需要増が見込まれており、従来の加工中心の利用から生食用の高品質品種の普及が急速に進展しているが、現在はその開発プロセスを中国とタイについて研究している。 最後に中国における品種開発における公的セクタと企業の棲み分け関係について明らかにするため昨年中に数人の実務家にインタビューを行い、31年度(2019年度)に民間種苗会社を中心に現地調査を実施する運びとなった。 他に日本農業経済学会の農業経済学事典出版事業において、項目「バイオテクノロジー」に関する打ち合わせ及び執筆を行った。これは31年(2019年)夏から秋にかけて出版予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
生産者がF1種を採用する要因についての投稿論文執筆が遅れたことと、2018年6月に予定していた調査を体調不良のため延期したことにより。その後の計画を組みなおさざるをえなくなった。そのため大幅に研究が遅延してしまった。その後、中国の協力者及び種苗会社と研究打ち合わせを行い、もう1年間研究期間を延長して再度計画を立て直したが、現状は執筆予定の論文を含めて半年以上遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
残された課題は次の3つであり、できる限り31年(2019年)中に研究を完了したいと考えている。 1)タイ国におけるイチゴ生産と品種改良の目標についての研究とりまとめ。 2)中国における品種開発の棲み分け関係と技術水準についての現地調査の実施。 3)国内種苗会社における品種開発と知的財産戦略についての調査
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次年度使用額が生じた理由 |
投稿論文執筆が遅れたことと、2018年6月に予定していた調査を体調不良のため延期したことにより。研究計画を組みなおさざるをえなくなった。そのため大幅に研究が遅延してしまった。その後、研究協力者及び種苗会社と研究打ち合わせを行い、もう1年間研究期間を延長して再度計画を立て直したため、今年度の研究が進まず研究費に残額が生じてしまった。 本年の残額使用は、主に次の3つに当てることにする。1、タイ国におけるイチゴ生産調査、2、中国における品種開発プロセスについての現地調査。3、国内種苗会社の品種開発と知的財産戦略についての調査
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