耕作放棄地、家屋、森林を対象とした放置資産の研究は、所有者不明の土地問題としても議論を呼び起こしてきた。本研究は、土地を利用しないもも関わらず所有者が土地を手放さない課題の理解を第一義的な目標としてきた。特に、鳥取県日南町に対するフィールドワークを行うことで、本目的の理解を試みた。 当初申請した内容通りの、国内外への調査については、種々の事情などもあり、必ずしも成果を上げることはできなかったが、本研究の第一目的である、所有者が土地を手放さない課題についての理解は十分にできたように思われる。その成果はとして、2020年には、同目的に対する一つの解を導き、査読付き論文として提出し採択された。 また、同課題を一歩進める形で、利用しない土地の所有者から寄付を受け付ける事業をと鳥取県日南町と共に行うことが可能となった。その成果は、多くの課題があるものの、国内で一定の評価がされることになった。 こうした成果は、ここ数年で進展してきた所有者不明の土地問題関連の研究者と協働して、刊行物としても発表することが可能となった。
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