研究課題/領域番号 |
16K07903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営・経済農学
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研究機関 | 北海道大学 (2018) 鹿児島大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
佐々木 貴文 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (00518954)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 東シナ海 / 漁船漁業 / 日本 / 中国 / 台湾 / 尖閣諸島 / 南シナ海 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、東シナ海における日本・中国・台湾の漁業勢力の今日動向を把握することにあった。調査・分析の結果、日本漁船は北緯二七度以北で中国漁業勢力に圧倒され、また同以南で台湾漁船及び中国公船に圧迫されていることが具体的事例から明らかになった。 漁場利用の困難性が高まっている背景には、中国漁村の都市化で経済格差が拡大し、中国政府にとって中小漁業者の生活を支える意味での東シナ海の重要性が継続していることがあった。また台湾は、中国の海洋進出やフィリピンとの関係悪化で比較的規模の大きな漁船が南シナ海から退出せざるを得ない状況が生じており、東シナ海はその代替漁場として重要性を増す傾向があった。
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自由記述の分野 |
漁業経済学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東アジアにおいて、日本が経済的な優位性を失うなか、経済規模を拡大させる中国および台湾による東シナ海への漁業展開は、当該海域における漁業秩序に影響を与えている。尖閣諸島を巡る政治的な問題も、日本漁業に小さくない影響を及ぼしている。 本研究の成果は、こうした状況下において日本漁業を持続的に存続させるために不可欠な知見となり得るものであり、今日的動向を踏まえた漁業秩序の維持や資源管理体制のあり方を模索するうえで意義が認められるものであるといえる。
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