遺伝子組換え作物をめぐる社会科学分野の研究は、数は少ないものの堅実な研究成果が蓄積されていること、近年では種子のシステム自体を焦点とした研究が登場しているなど着実に進展していることが明らかとなった。 一方、遺伝子組換え作物をめぐる状況は大きく変化している。大手6社による寡占状態が継続していた農薬・種子業界は、デュポン社とダウ社の合併、中国加工集団によるシンジェンタ社の買収、そしてバイエル社によるモンサント社の買収など、業界再編が進展し、訴訟が急増していることが明らかとなった。さらに、訴訟内容も、新たな段階、つまり農家レベルから食品企業の原材料表示というレベルに焦点がシフトしていることが判明した。
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