研究課題/領域番号 |
16K07923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会・開発農学
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研究機関 | 龍谷大学 (2018-2019) 京都大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
坂本 清彦 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (30736666)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 農福連携 / 福祉農業 / 社会的農業 / 国際研究 / 多機能的農業 / アセンブリッジ論 / アントレプレナー / イノベーション |
研究成果の概要 |
日本で農福連携として普及が進む福祉農業を、農業と福祉という異領域の結合するイノベーションと捉え、これを可能にする支援諸制度や諸主体のネットワークをアントレプレナーエコシステムの分析という観点から、国際比較を通じた各国動向に対する理論的理解及び実践的な提言に資することを目指した。日本、欧州、アメリカ合衆国の事例調査を通じ、日本で主流の障がい者就労支援から高齢者・障がい者の居場所提供、DV被害者の保護・自立支援、薬物依存からの更生まで多様な展開状況が見出された。これら多様な福祉農業の共通的な理解枠組みとして、異質な諸主体の集合と領域化・脱領域化過程に着目するアセンブリッジ論の有用性が示唆された。
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自由記述の分野 |
農業社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では近年農福連携として認知度が向上した福祉農業は、制度的支援の背景から、主として障がい者の就労支援の枠組みにおいて展開してきた。他方で、事例調査を行ったオランダ、フランス、スペインなどでは、医療や介護保険による高齢者や障がい者への支援、小規模農家への支援、社会的協同組合による社会公正実現、DVや薬物依存者への支援など多様な場面、文脈で展開している。これらを支える政策・社会的支援のありようは一様ではないが、農業の福祉力を実地に活用する活動は日本でも多面化多様化されてよいと考える。ただし慈善組織など民間による資金支援が薄い日本では、公的な財政的・法制度的支援の対象の拡大・多様化も望まれよう。
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