研究実績の概要 |
本年度は延長課題の最終年度にあたるため、国立公文書館にて電子公開されている一次資料の収集および前年度までに収集済みの外交文書(アメリカ国立公文書館および外務省外交史料館所蔵文書)をもとに学会報告および論文のとりまとめを行った。研究成果の発表状況は以下の通りである。 ①農産物貿易促進援助法(PL480)にもとづく農産物売却資金によって実施された、アメリカ農産物の日本市場開拓計画に関する検討結果を論文にまとめ、査読付き国際学術誌に掲載された(ITO Atsushi “Japanese Market Development Programs under PL 480 in the late 1950s: Focus on Wheat and Rice,” Agricultural History Vol. 95, No. 2 (Spring 2021), pp. 245-275)。 ②相互安全保障法(MSA)第550条にもとづくアメリカ余剰農産物の売却(いわゆるMSA小麦)や、その後のMSAによる余剰農産物売却構想に関するに関する学会報告を行った(伊藤淳史「MSA余剰農産物協定をめぐる日米交渉―1953~60年―」日本農業経済学会個別報告、2022年3月27日、龍谷大学(オンライン開催))。 ③第3次・第4時PL480協定が不成立に終わる交渉過程に関する学会報告を行った(伊藤淳史「第3次・第4次PL480協定をめぐる日米交渉: 1956-57年」日本農業史学会個別報告、2022年3月28日、オンライン開催)。 これを含め、研究期間を通じて査読付き学術誌3報(うち国際誌1報)、学会報告8本の成果発表を行った(他に査読付き学術論文1報が掲載予定である)。
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