研究課題/領域番号 |
16K07927
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
中田 英樹 成蹊大学, その他部局等, 研究員 (70551935)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 移民 / グローバリゼーション / 戦後農村開発 / 戦後海外移住背策 / 地域史 |
研究実績の概要 |
2018年度は、おもに、(1)ラテンアメリカ諸国間にて移動する、かつて日本から移出していった日系人について、資料収集や、現地での日系人に対する聞き取り調査を行った。また、岩手の現地においては、岩手からの日系移民としての側面にとどまらず、現在、岩手に農業実習生として入ってきているフィリピンからの実習生や、彼ら彼女らを雇う農家に対して、聞き取り調査を行った。また同様に、本研究は、岩手県か最大の戦後開拓地である奥中山を対象としているが、岩手県(四国四県を合わせた面積ほど大きい)の全体的な状況のもとに、この奥中山を位置づけるために、岩手に詳しい方々へ、本研究の最新の見解を話し、意見を伺った。 現在、予定していた出版社とやり取りしつつ、単著として取り纏めるべく執筆活動を毎日行っている。順当に行けば今年度の初夏には、第一草稿を完成させ、パラグアイや岩手にて、単著にて取り上げさせていただいた方々へ、掲載承諾を得に訪れ、また、若干の最終的な補足調査を、夏季休暇を利用しておこなうつもりである。 成果として取り纏めるのは、一般読者向けの、また手に取りやすい価格帯にするため、分量は400字詰め原稿用紙にして250枚と、きわめて限られている(昨今の出版業界の危機的状況の影響だと説明を受けている)。ゆえに、全編書き下ろしであり、学術的な記述ではないので、学会発表や学会誌論文といった成果はない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は、大学の異動などもあり(研究者番号の所属先:成蹊大学アジア太平洋研究センターは継続)、パラグアイでの現地聞き取り調査や、現地での資料収集は予定したものより少し届かなかった(それゆえに、少なからぬ額を、2019年度にキャリー・オーバーさせることになった)。
だが一方で、本研究課題に向けての岩手での聞き取り調査や資料収集は、単著にまとめ上げることを目的とするならば、十分に終えることができたと言える。
一年間、延長させていただいたことにより、今年度内には、最低でも印刷の段階まではたどり着けると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
繰り返しになるが、とにかく、一般読者向け(ではあるが、学的にも十分な意義のある)低価格で、広い読者層に手にとってもらえるような単著として、最終成果を発表すべく、作業を進めている。
今年度以内には、少なくとも印刷にまで回すことができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
諸事情により、関東から実家のある関西へと引っ越す必要が生じたため、それに付随して、特に長期の海外調査ができなかった。これが、次年度使用額が生じた主な理由である。 2018年度の予定(おもに2018年度夏季休暇中に計画していた海外調査)の多くが、そのまま2019年度のそれにスライドするかたちになるため、2019年度の冬季休暇および春季休暇における現地調査などを含めて、繰り越した残高はすべて使用する計画である。
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