研究課題
平成30年度は前年度に引き続き兵庫県篠山市(以下篠山)と兵庫県養父市(以下養父),新潟県上越市吉川土地改良区(以下吉川)で主に調査を行った他,滋賀県高島市,兵庫県佐用町,兵庫県新温泉町でも小規模の調査を行った.分析は昨年度に引き続きCバンド合成開口レーダ(SAR)Sentinel-1(解像度5m×20m)と高解像度のLバンドSAR,Alos-2(解像度3m×3m)の性能比較を実施した.水田-非水田の判別適期は各地で水田に確実に湛水されている5月末を中心に観測すればよいことが昨年度に明らかになったため,Sentinel-1は5月以降12日毎の画像3枚、Alos-2については4月上旬から8月下旬まで入手可能な画像3枚を用いて3段階の決定木法(統計解析ソフトR)により判別精度の検証を行った.25a以上の面積ではSentinel-1,Alos-2ともにkappa係数は0.8程度の高い一致を示した。2017年はAlos-2が15a以下の面積でSentinel-1を上回る精度を示した。しかし2018年はAlos-2の判別精度が大幅に低下する一方でSentinel-1はほぼ同様の精度を保った。回帰日数が短く観測機会に恵まれたSentinel-1に対し,Alos-2の観測は不定期なことが測定精度を不安定にしている.Sentinel-1については解像ピクセルが長方形のため,25a以下の場合圃場形状(長辺の方角)を考慮することで15a程度まで実用レベルの判別精度が得られると考えられる.得られたデータを用いて今後も解析を進める予定である.大豆と耕作放棄地の判別については年度中には精度向上が果たせなかった.データの類型化とマルチ-センサー判別の手法改良を今後さらに進める予定である.
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Proceedings of THA 2019 International Conference on Water Management and Climate Change towards Asia's Water-Energy-Food Nexus and SDGs, January 2019, Bangkok, Thailand.
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