本研究では,本暗渠として籾殻のみを用いる安価な籾殻暗渠排水システムに着目し,本システムによる塩害発生農地の除塩過程を明らかにし,開発途上国に技術移転可能な塩害農地の修復法の確立することを目的とした. 籾殻暗渠を模擬した模型実験と実圃場スケールでの3次元数値実験を行った.その結果,1)排出口の大きさはシステムの排水能力に影響を与えない,2)籾殻渠の幅が狭い方が排水口からの流出水量は大きくなる,3)籾殻渠は塩水移動の迂回路として耕耘層の除塩に有効,4)籾殻渠の勾配の大きさが排水口からの流出塩水量の増加に及ぼす効果は小さい,5)籾殻暗渠は耕耘層の除塩にのみ明確な効果を発揮する,ことが明らかとなった.
|