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2016 年度 実施状況報告書

臨海農業集落の存続基盤の明確化と類型化手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K07948
研究機関明治大学

研究代表者

服部 俊宏  明治大学, 農学部, 専任准教授 (10276165)

研究分担者 清水 夏樹  京都大学, 森里海連環学教育ユニット, 特定准教授 (40442793)
九鬼 康彰  岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60303872)
武山 絵美  愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (90363259)
齋藤 朱未  同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (20712318)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード臨海農業集落 / 存続基盤 / 農漁兼営 / 野生動物 / 二地域居住
研究実績の概要

今年度は,岩手県広田半島,愛媛県宇和島市島嶼部,岡山県犬島でそれぞれ,農・漁業の兼営状況,離島における地域活性化イベントの影響,農地及び社会インフラ保全条件について調査した。
岩手県広田半島では,地域の水田保有者に対するアンケート調査の分析と漁協組合員に対する聞き取り調査を実施した。いずれの調査からも,地域の生産者は農業・漁業のいずれかに特化する方向で経営内容を変化させている。漁業からの撤退は地域資源管理上の問題は生じないが,農業については集落営農で撤退された農地の管理を吸収することにより資源管理機能を維持していることが把握された。
岡山県犬島では,離島において地域活性化イベントが与える影響を調べるため,瀬戸内国際芸術祭という3年に1度開かれるアートプロジェクトとの関わりに着目した。期間中の犬島の訪問者を把握するために現地調査を行い,島のキーパーソンにプロジェクトと島の関わりや島民の生活に関するインタビュー調査を行った。その結果島では二地域居住者が多いことから,分析視点の転換が必要と示唆された。
愛媛県宇和島市の島嶼部においては,野生動物の侵入状況および組織的な対策実施状況について聞き取り調査を行い,島嶼部の農地および社会インフラを保全するための条件について整理した。その結果,これらの島嶼部では養殖漁業が盛んであり,島内に若い担い手も多く存在するが,地域との繋がりが薄く,野生動物対策の担い手になりづらい現状が把握された。
以上より,臨海農業集落の存続基盤となる諸条件の把握を進めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は,それぞれの事例地区で臨海農業集落の存続基盤となる諸条件の把握を進め,農・漁業の兼営状況,離島における地域活性化イベントの影響,農地及び社会インフラ保全条件等の視点から明らかにしている。そして,これらを横断的にまとめるための議論を開始している。また,調査の過程では,分析の単位としての「島」の妥当性と「半島」の不安定性,交通アクセス評価における地域間接続関係の把握の仕方といった課題の抽出もあわせて行うことができた。

今後の研究の推進方策

まず,これまで個別に検討してきた臨海農業集落の存続基盤となる諸条件について,横断的に比較検討するための共通プラットフォームを構築する。プラットフォームには,国勢調査や農林業センサス・漁業センサス等の統計情報や地形・立地に関する地理情報といった定量的なデータはもちろんのこと,孤立性指標(船やバスなどの公共交通がどれくらいの頻度であるか,荒天等の際の欠航頻度,集落から他の集落へのアクセス道路が複数あるかどうか,過去に災害等で孤立したことがあるかどうか)や祭りや季節行事,アートイベントや居住形態などの定性的データ,文献情報も含めて構築してゆく。
次に,分析の単位としての島や半島の妥当性,該当する圏域の検討,小さな拠点との関係等を検討する。そして,これらの検討を基礎として,類型化の検討を実施する。

次年度使用額が生じた理由

年度後半に予定していた一部の現地調査が受け入れ先の都合でキャンセル(延期)されたため。

次年度使用額の使用計画

遅れている現地調査を平成29年度に実施することで使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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