研究課題
基盤研究(C)
水田域に棲む生物の生息環境の広域的な評価に向けて、衛星画像データから計算可能で、水田の湛水状況を指標する「湛水指数」を提案するとともに、現地の水田の湛水状況との比較から衛星画像による湛水状況の推定精度を検証した。また、非灌漑期間の水田の乾湿がトウキョウダルマガエルの越冬やニホンアカガエルの産卵に影響することを飼育試験や現地調査により明らかにするとともに、地域で越冬するカモ類等の数と冬期湛水田の面積との関係を解析した。
農村生態工学
水田における冬期湛水や江(水田内に設けられた通年で水のある深み)の創出といった環境に配慮した管理方法は、環境保全型農業直接支払の地域特認の取組みとして支援対象となっている。本研究は、水田に棲む生物の生態や行動を明らかにすることで、生物の生息環境を保全する観点から、水田におけるより効果的な管理方法の確立に寄与する。また、水田の冬期湛水の取組みが地域の生物多様性に及ぼす効果の定量的な評価につながる。