研究課題/領域番号 |
16K07952
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
亀山 幸司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (90414432)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | バイオ炭 / 堆肥 / 山土 / 培養試験 |
研究実績の概要 |
本課題は,圃場整備において下層土が露出した農地や客土が施された農地等の有機物が不足する表土を持つ農地を対象に,バイオ炭を用いた土壌改良により急速熟畑化を達成し,且つ効果的に炭素貯留を行うための基礎技術を確立することを目的としている. 本年度は,有機物不足土壌の物理性・化学性・生物性の改良に対してバイオ炭の施用量や堆肥の施用の有無が及ぼす影響を検討するため,2.5Lの密閉容器を用いて,客土用山土(砂80%,シルト9%,粘土11%)2 kgに,700~800℃の温度で生成された木質バイオ炭を4種類の混入割合(0.0,0.5,2.5,5.0%(w/w))で混入し,牛ふん堆肥2.5%(w/w)混入・未混入の計8処理区を3連ずつの合計24個の容器を作成した.その後,それぞれの土壌に水分を加え,最大容水量の約70%の体積含水率に調整した後に密閉させ,25℃の恒温チャンバー内に静置し,培養試験を開始した.培養試験においては,2週間に1回,減った分の水分量を補う操作を行い,現在も培養を継続している. これにより,次年度,培養後の土壌の物理性(乾燥密度,保水性,透水性,団粒径分布等),化学性(全炭素,全窒素,陽イオン交換容量,陰イオン交換容量,pH,EC等),生物性(微生物バイオマス炭素,微生物バイオマス窒素等)の測定を行うための準備が整った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の炭化炉の故障により,培養試験を実施するために必要なバイオ炭の供給が遅れた.今年度,炭化炉の復旧・バイオ炭の作成を速やかに行い,培養試験が開始された.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる次年度においては,今年度作成した培養土壌を用いて,土壌の物理性(保水性,透水性,団粒径分布等),化学性(pH,EC,CEC,CN含有量等),生物性(微生物バイオマス等)を計測し,研究結果のとりまとめを行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
培養実験の開始が遅れたことにより,培養後の土壌特性の分析を年度内に実施できず,残額が発生した.この残額は,実施予定であった分析のために使用する.
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