冬季低温に弱いカンキツ類は栽培中に凍霜害の注意が必要で、低温の予報や実測には気象庁のアメダス情報が有益である。しかし樹園地は複雑な微地形内にあることが多く、実際の気象状態を表しているとは言い難い。そこで本研究では、200mメッシュの超高解像に設定された気象モデルを用い、樹園地が存在する微地形上の冬季低温分布を再現した。中四国のカンキツ生産が盛んな地域を対象に、冬季の事例を計算した。外洋に近い四国南西部では、標高100m以下に広がる樹園地の低温記録時間に標高による大きな違いがみられたが、瀬戸内海のしまなみ島嶼部では標高に関係なく島全域の低温傾向が強くなる特徴が、シミュレーションで明らかとなった。
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