研究課題/領域番号 |
16K07978
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
渡辺 一生 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト上級研究員 (30533012)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | SUAV / ドローン / 衛星画像 / 泥炭湿地 / 火災 / サーモグラフィーカメラ / モニタリング |
研究実績の概要 |
平成28年度は、1)現地調査許可申請の手続き、2)火災モニタリング用SUAVの開発、3)ひまわり8号やALOS-2などの衛星画像を用いたホットスポット発見手法の検討を予定していた。それぞれの進行状況は、以下のとおりである。
現地調査許可申請については、インドネシア側カウンターパートとの調整の結果、本年度は申請を見送った。理由は、今年度の活動が、カウンターパートとの打ち合わせやカウンターパートが同行しての予備調査であったので、必ずしも必要なかったためである。火災モニタリング用SUAVの開発については、航続距離の長い固定翼タイプのSUAVの開発に着手した。しかし、日本の電波法の問題で海外部品の一部が使用できず、電波関連部分の開発が遅れる原因となった。一方、当初は固定翼タイプのSUAVを観測に使用することは想定していなかったが、急速な技術発展によって固定翼と相性の良い熱赤外線カメラが出現したため、これら機材を組み合わせて国内での飛行試験を実施した。飛行試験の結果は良好で、現場投入できる段階まで到達することができた。 衛星画像解析については、複数枚のALOS-2画像を入手し、解析手法の検討に着手した。今年度は、火災の発生頻度と面積が限られていたため、時系列的な分析を行なうことは難しかったが、一部の火災発生場所においては、衛星画像でも判読できることが確認された。その他、本研究の関連論文2本を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の火災頻度および範囲が限られていたため、衛星画像が入手できる場所も限られてしまったため、解析手法の検討が遅れている。 他方、SUAVについては、回転翼タイプの機体にサーモグラフィーカメラを搭載することで、100m上空から8cmの発熱体を発見することができるシステムを作ることができ、順調に研究が進んでいる。 また、成果公開についても、講演会での発表や論文執筆などを通じて積極的に行なっており、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究が遅れている衛星画像解析に関する部分について、重点的に研究を行なう。この研究を進めるため、グランドトゥルースデータの取得を目的とした現地調査を行なう。 UAVについては、第三国輸出規制対象の部品が含まれているため、経産省へ届け出を行ないインドネシアへ持ち込む手続きを行なう。この手続きを今年の乾期までに終え、観測態勢を整える。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、調査許可証を取得する必要が無かったため、そのために計上していた旅費および謝金が次年度へ持ち越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
調査許可証の取得とグランドトゥルースデータ取得のための現地調査費用として、使用する。
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