グリセロールが有するエネルギーと反芻家畜の第一胃における特徴的な代謝経路に注目し、第一胃機能確立前後のウシとヒツジを用い、グリセロール添加時の第一胃発酵性状および糖・アミノ酸代謝動態を測定した。暑熱暴露の影響についても検討した。給与飼料中のグリセロール添加割合が高い場合(7%)、ヒツジの第一胃発酵が変化し、動物に悪影響を及ぼすことなく血液グルコース代謝を更新することが示された。しかし、グリセロール添加割合が低い場合(2-5%)、グリセロール添加効果は明確ではなかった。また、第一胃発酵機能の発達に伴って血液グルコース代謝動態は明らかに低下する一方、アミノ酸代謝の変化は限定的であった。
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