研究課題
FGF21のプロモーター領域の約5kb、全長遺伝子領域の約3kb、3’隣接領域の約2kbを増幅するためのプライマーを用いて、発現プロファイリングに用いた高低暑熱耐性群でのPCRダイレクトシーケンスを行ったところ、3つの多型が検出された。このような3つの多型のうち、プロモーター領域に存在し、転写開始点からより近い、転写開始点から‐2466に位置する多型を暑熱耐性に関連する多型候補として選抜した。さらに、‐2466多型を含む302bpの領域をPCR増幅し、制限酵素BccIで切断するというPCR-RFLPによるタイピング法を確立した。暑熱耐性表現型の判定のために、同一農場における三元交雑種の肥育後期豚からなる集団を用いた。各個体の肥育後期の体重を測定し、適温環境下期間における1週間あたりの適温下増体量、暑熱環境下期間における1週間あたりの暑熱下増体量を算出した。これらの暑熱下増体量と適温下増体量の差により、各個体の肥育後期の暑熱耐性を算定した。このような暑熱耐性表現型の算定に必要となる暑熱・適温環境下期間の設定については、6月25日~8月18日を暑熱期間、それ以外を適温期間とした日付による基準、体重を計測する前の10日間の平均気温が23度以上である場合を暑熱期間、23度未満を適温期間とした温度による基準、体重を計測する前の10日間の平均THIが22以上の場合を暑熱期間ん、22未満を適温期間としたTHIによる基準を用いた。結果として、日付、温度、THIという3つの基準による3つのタイプの暑熱耐性表現型を得た。
1: 当初の計画以上に進展している
当初予定していた計画どおり、高低暑熱耐性群を用いたダイレクトシーケンスにより、暑熱耐性に関連する多型候補を選抜することができた。されに、その候補多型のタイピング法を確立することができた。また、相関解析に用いるための同一農場の各個体の暑熱耐性表現型を判定することができた。
相関解析に用いる同一農場の各個体の毛根からゲノムDNAを抽出し、各個体のタイピングを行う。えられた表現型検定データとタイピングデータを用いて、SAS MIXEDプロシジャにより相関解析を行う。MIXEDプロシジャでは、暑熱耐性を従属変数として、DNA多型の遺伝子型、性、検定年を母数効果、父畜、母畜(母の腹)、一腹産子数を変量効果として取り入れた統計モデルを採用する。このような解析により、ブタ暑熱耐性と関連するアリルをもつDNA多型を選出する。さらに、肥育後期の暑熱下増体量または適温下増体量を従属変数とした相関解析をそれぞれ行うことにより、選出DNA多型が暑熱下増体量に対してのみ効果をもつことを確認する。
30年度4月分の支払いについて、次年度に計上するため。
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