研究課題/領域番号 |
16K07998
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研究機関 | 地方独立行政法人青森県産業技術センター |
研究代表者 |
佐野 栄宏 地方独立行政法人青森県産業技術センター, 工業部門, 外部資金研究員 (20645577)
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研究分担者 |
山本 ゆき 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (20645345)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 糖鎖機能 / ウシ発情周期 / 黄体機能 / O-GlcNAc / プロテオグリカン |
研究実績の概要 |
これまでに、糖鎖はウシ黄体機能維持に貢献し、糖鎖形成不全が黄体機能を減弱させるという知見を得ており、さらに各発情周期で黄体の糖鎖発現は変化することを発見している。黄体機能の制御には様々な因子の関与することが知られているがその全容は未だ不明であり、黄体の糖鎖機能を標的とした新規黄体制御機構を解明することを目的として研究を進めている。 ウシ発情周期各期の糖鎖構造変化及び糖鎖と黄体機能の関連性を検証することを今年度の研究として計画している。具体的には、各発情周期のウシ黄体組織及び細胞をレクチンブロットで解析し、黄体タンパク質全体の糖鎖構造変化を明らかにし、また、糖転移酵素遺伝子発現を解析して糖鎖構造変化の要因を解析することとしている。そこで、黄体の周期を通じた糖転移酵素遺伝子発現、糖鎖発現およびプロテオグリカンコアタンパク質発現変化の解析を行った。 アグリカン、バーシカン、シンデカン、O-GlcNAc転移酵素(OGT)、O-GlcNAc切断酵素(OGA)、ヒアルロン酸合成酵素(HAS)1、HAS2、HAS3およびHAS4の発情周期を通じた遺伝子発現を解析した結果、バーシカン、OGT、OGAおよびHAS2遺伝発現に変化が見られた。しかし、OGTとOGAの発現において同様の変化が観察されたので、直接O-GlcNAc修飾を解析した結果、退行期でO-GlcNAc修飾が顕著に減少することが分かった。今後、この発現変化と黄体機能との関連性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
黄体の周期を通じた糖転移酵素遺伝子発現および糖鎖発現、プロテオグリカンコアタンパク質発現変化の解析を行った。 アグリカン、バーシカン、シンデカン、O-GlcNAc転移酵素(OGT)、O-GlcNAc切断酵素(OGA)、ヒアルロン酸合成酵素(HAS)1、HAS2、HAS3およびHAS4の発情周期を通じた遺伝子発現を解析した結果、バーシカン遺伝子発現は初期、形成期および退行期で高く、OGT、OGAおよびHAS2遺伝子発現は退行期で高かった。しかし、OGTとOGAの発現が同様に退行期で高く、実際のO-GlcNAc修飾がどのように変化をするかが不明なため、直接O-GlcNAc修飾をウェスタンブロッテイング法により解析した。その結果、退行期でO-GlcNAc修飾が顕著に減少することが分かった。 以上より概ね順調に進展しているが、細胞に関してはサンプルの確保に予想以上に時間を要したため、次年度の計画で進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1) O-GlcNAc修飾が発情周期で変化するタンパク質を同定する。 2) O-GlcNAc修飾の増減による黄体細胞の生存率およびプロジェステロン産生に対する影響を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2次元電気泳動装置の購入を予定していたが、内部研究事業の方で購入できたので、当該事業の実験に用いることができた。そのため、装置を購入せずに対応した。
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次年度使用額の使用計画 |
O-GlcNAc 修飾に変化が見られたので、細胞によるO-GlcNAc修飾実験をする必要が生じたため、使用期限のある阻害剤および促進剤の購入に充当する。また、やや遅れた実験を進めるための実験補助員の人件費に使用する。
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