研究課題/領域番号 |
16K08005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生産科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
西海 理之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60228153)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高圧処理 / デコリン / 筋肉内結合組織 / プロテオグリカン / 立体構造 / 食肉科学 |
研究成果の概要 |
以前の研究により、高圧処理による筋肉内結合組織の脆弱化にはデコリンの分解もしくはコラーゲン繊維からの解離が関与することが予想され、ウシ骨格筋から実際に単離・精製したデコリン分子の高圧下ならびに高圧処理後の立体構造を解析し、高圧処理に伴う筋肉内結合組織の脆弱化との関連性を検討した。得られた結果の要旨は以下の通りである。 (1)高圧処理は、デコリンコアタンパク質の分解、GAG鎖の分解および解離を引き起こさなかった。(2)高圧下蛍光スペクトルおよび表面疎水性測定により、高圧処理に伴ってデコリン分子の立体構造の一部が不可逆的に変化した。(3)デコリン分子内のSS結合は高圧処理によって不変だった。
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自由記述の分野 |
農学(畜産物利用学、食品科学)
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規な非加熱の食品加工技術の1つである高圧食品加工技術の開発を目指し、食肉の軟化技術としての高圧処理の効果とその軟化メカニズムの解明を行なっている。これまでの一連の研究により、従来硬くて噛み切れないような硬い肉でも高圧処理によって適度に軟化し、その時非常に硬い部分である「スジ」(専門的には結合組織という)も軟化することを見出した。結合組織はコラーゲン線維の塊で、コラーゲン線維同士をデコリンと呼ばれるプロテオグリカンが接着・補強していることが知られているが、本研究により、高圧処理に伴ってデコリンの分子構造が変化し、コラーゲン線維から離れることで結合組織が脆弱化・軟化する可能性が示唆された。
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