研究課題
基盤研究(C)
本研究では、黄色カロテノイドを生産する乳酸菌から新たな抗酸化物質を見つけることを目的としている。そこで、酸化ストレスに応答すると予想される遺伝子の解析および、抗酸化物質候補が細胞に与える抗酸化作用について検討した。その結果、黄色カロテノイド(ジアポニューロスポレン)を合成する遺伝子とは別の遺伝子群を発見し、実際、これら遺伝子が黄色カロテノイドを別カロテノイド(派生物質)に変換することを明らかにした。また、派生物質の細胞に対する抗酸化作用を調べた結果、弱い抗酸化作用が観察された。
応用微生物
乳酸菌はプロバイオティクスとして、ヒトを含む動物に有益な効果をもたらす微生物として知られている。本研究では、乳酸菌の新たな有用物質としてカロテノイドに着目し、新規抗酸化物質の探索を行った。乳酸菌が主に生産する黄色カロテノイドをさらに修飾し、数種のカロテノイド派生物が生産されることが確認され、新たな学術的知見が得られた。また、これら派生物には弱いながらも抗酸化作用が確認できたことから、新たな機能性成分として健康維持に貢献できる可能性が示唆された。