鳥インフルエンザウイルスにどのような変異が生じれば、そのウイルスがヒト気道細胞で効率良く増殖するようになるのかを調べた。低病原性H7N9鳥ウイルスは、2009年のパンデミックウイルスと比較して増殖速度は遅いながらも分化ヒト気道細胞で増殖した。また、この細胞で培養したH7N9鳥ウイルスは、その増殖過程で5種類のウイルス遺伝子(PB2、HA、NA、M、NS)に変異が生じていた。2016年に中国で発生した高病原性H7N9鳥ウイルスの性状を明らかにする目的で、高病原性H7N9鳥ウイルスのヒト分離株の分化ヒト気道細胞における増殖能を解析した。その結果、同ウイルスは分化細胞において効率よく増殖した。
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