世界中のニワトリで流行し、時にヒトへの感染も問題となっている「鳥インフルエンザ」は、もともと自然宿主である野生水禽が保有していたインフルエンザウイルスが、家禽であるニワトリに適応したことから始まっている。その適応機序を解明することは、現在ニワトリで流行しているH9、H5、H7亜型ウイルスの制御に加え、今後ニワトリで流行するかもしれない他の亜型のウイルスへの対策に必要な基礎情報を提供する。本研究では、適応機序の解明には至らなかったが、多様な亜型のインフルエンザウイルスが培養条件下でニワトリ呼吸器上皮で増殖できることが示され、ニワトリにも適応する可能性のあることが推察された。
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