京都市で捕集されたマダニから分離されたトゴトウイルスHl-Kamigamo-25株(THOV)のウイルス学的・病態学的特徴を解明するために、ウイルスのゲノムRNA様の構造と転写・複製上の特徴を持つミニゲノムRNAの発現系を構築した。また、THOVの実験動物への病原性を解析したところ、マウスには顕著な病原性は示さなかったが、ハムスターには出血や肝炎を引き起こし、致死的であった。今後は、本研究で構築したシステムを応用し、組換えウイルスを作製するリバースジェネティックス法を開発する。最終的に、ウイルスのゲノムRNA上の病態形成に関与する領域を同定し、THOVの病態形成機構を詳細に解明したい。
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