研究実績の概要 |
平成28年度は感受性および抵抗性アリルを有するウシゲノムの収集およびBoLA領域の次世代シークエンサーによるターゲットリシークエンスの条件設定を行う事を目標とした。 本年度は(1)黒毛和種牛およびホルスタイン種のゲノムDNA、500頭の収集、(2)DRB3およびDQA1遺伝子のアリルタイピング、(3)収集したウシサンプルのBoLAクラスIIハプロタイプの予測、および(4)BLV抵抗性アリルであるDRB3*0902,DRB3*0701およびDRB3*1101を有する個体の収集、を目的としていた。本年度は、黒毛和種340頭およびホルスタイン種504頭より抽出したDNAを計844頭収集し、クラスIIハプロタイプおよびクラスIハプロタイプをNGS法により推定した。本サンプルより、抵抗性としてDH0902A(11/1), DH0902C(0/13), DH0701A(2/11), DH1101A(86/15), DH1101D(0/4), DH1401A(29/0), DH1401C(0/8)が検出され、感受性としてDH1501A(316/86), DH1501B(8/0), DH1601A(2/56), DH1601D(4,128)が検出された(ホルスタイン種頭数/黒毛和種頭数)。これらの個体からDH1601Dを有する個体3頭、DH1601Aを有する個体3頭、そしてDH1501Aを有する個体4頭の計10頭の黒毛和種を選抜し、全MHC領域のを含む、chr22:27,135,779-27,138,024, chr22:27,240,001-27550000 および chr23:25,155,545-31,621,350の領域にプローブを設定し、Miseqによるターゲットリシークエンスを行った。得られたデータをウシゲノムUMD3.1にアライメントし変異情報を検出するパイプラインを構築した。
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