研究課題/領域番号 |
16K08045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
獣医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中川 貴之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40447363)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Liquid-biopsy / BRAF / vimentin / EMT / TCC / digital PCR |
研究成果の概要 |
早期の確定診断が非常に困難である犬移行上皮癌を尿サンプルから診断かつその進展状況を確認できる”Liquid Biopsy”の確立を目的とし、診断については、犬移行上皮癌に高率に認められるBRAF遺伝子変異を高感度に検出できるDigital PCR法を確立し、その臨床応用に成功した。腫瘍の進展状況については、上皮間葉転換を標的として検討を進め、犬移行上皮癌において間葉系マーカーであるvimentinが有意に生存期間と関連することを明らかにした。これらの成果により尿サンプルにより腫瘍の診断と病態把握を行うLiquid biopsyの基盤データが形成されたものと考えた。
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自由記述の分野 |
臨床獣医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの検査では犬移行上皮癌の早期診断は非常に困難であり、積極的な治療であっても生存期間は1年未満であった。本研究成果によって早期診断が実現したことで、犬移行上皮癌症例の生存予後は大きく改善することが期待されるだけでなく、尿サンプルを用いた"Liquid Biospy"の成功例の先駆けとなったと考える。また犬移行上皮癌においてvimentinが有意な予後指標となることを初めて見出したが、これも臨床応用可能な予後マーカーとなるだけでなく、浸潤性の高い犬移行上皮癌の分子生物学的な性状の解析やより効果的な治療法開発に向けた基盤的データとして意義ある成果と考えられた。
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