研究課題/領域番号 |
16K08060
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
岡崎 克則 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (90160663)
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研究分担者 |
大澤 宜明 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (20415558)
菅野 徹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 主席研究員 (80355205) [辞退]
森 宏 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (90825126)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地方病性牛白血病 / 牛白血病ウイルス / Taxタンパク質 / アネキシンA3 / 発症前診断 / モノクローナル抗体 |
研究実績の概要 |
地方病性牛白血病(EBL)は牛白血病ウイルス(BLV)病因とするが、発症するのはウイルス感染牛の5%程度以下であるり、発症のメカニズムは未解明である。申請者らはこれまでに、①BLVはウイルス転写活性化因子であるTaxタンパク質の233番アミノ酸によってプロリン(P)型及びロイシン(L)型に2分されること、②P型ウイルスに感染したウシのEBL発症の平均年齢がL型のそれに比べて22ヶ月遅いためTaxの型別は予後診断に有用であること、③L型Tax発現細胞が血管内皮細胞誘引因子であるアネキシンA3(ANX3)を大量に分泌することを示している。今年度は、EBL発症前診断法の開発を目的としてウシANX3に対するモノクローナル抗体を作出した。 ウシANX3遺伝子を化学合成し、pCold ProS2ベクターにクローニング、大腸菌に導入してProS2-His-タグANX3を得た。タグを除去後、常法に従いハイブリドーマを得、培養上清をタグ付きANX3を抗原とするELISAに供した。陽性上清をウシ腎由来MDBK細胞を抗原とするウエスタンブロットに供した結果、5クローンの細胞がウシANX3特異的抗体を産生することが分った。部分欠損変異体との反応性から、#21-3抗体はウシANX3の3~99番アミノ酸領域、#67-1及び#86-1は169~232番領域、#34-1及び#72-3は233~323番領域を認識することが分った。さらに、酵素標識#21-3、#67-1及び#72-3を用いて交差結合競合ELISAを実施した結果、#21-3は他の抗体の結合を阻害しないこと、#67-1と#72-3は互いに競合すること、#21-3は#67-1及び#72-3により阻害を受けることが分った。以上の成績に基づき、#21-3を捕捉抗体とし#67-1を検出抗体とするウシANX3定量サンドイッチELISAを構築した。
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