ヒトや動物の健康を考えるとき、「ライフステージ」の視点は重要である。加齢期のさまざまな疾患に、免疫系の老化が関与する。寄生虫感染に対する宿主の防御応答も、加齢による影響を受けると考えられるが、詳細は明らかになっていない。ヒトの場合、寄生虫感染症は世界中で10億人以上が感染し、年間250万人が死亡する。家畜・愛玩動物においてもヒト以上に身近な感染症であり、オーナーにとっては経済的負担・損失も大きい。本研究の成果により、消化管の免疫老化の機序について得られた知見は、寄生虫感染症だけでなく、サイトカインのアンバランスがもたらす様々な疾患の予防治療にも有用な知見となると考えられる。
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