• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

骨格筋収縮依存的な分泌タンパク質による免疫機能制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K08077
研究機関東洋大学

研究代表者

根建 拓  東洋大学, 生命科学部, 教授 (50375200)

研究分担者 川口 英夫  東洋大学, 生命科学部, 教授 (50416921)
加藤 和則  東洋大学, 理工学部, 教授 (60233780)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードマイオカイン / 骨格筋 / 運動 / 免疫
研究実績の概要

運動は、骨格筋での代謝を直接亢進させるとともに筋発達を促進して体全体での基礎代謝量を上昇させることが広く知られている。一方、近年、運動は骨格筋以外の組織に対しても影響を及ぼすことが明らかにされてきた。例えば、運動による免疫機能の調節、脂肪組織における脂肪分解の促進などが挙げられるが、少なくともその一部は運動による骨格筋分泌タンパク質(マイオカイン)の分泌変動によるものではないかと考えられている。本研究では、申請者が開発したin vitro擬似的運動刺激系を駆使して、この運動時に生じる免疫機能変動の分子基盤を運動因子産生の観点から読み解くことを目的とした。
まず、骨格筋細胞C2C12に対して電気パルス刺激(EPS)を負荷後に培養上清を回収し、マイオカイン量を測定した結果、運動によって分泌減少するマイオカインとしてCCL5およびCXCL10を新規同定することに成功した。さらにEPS依存的なシグナル伝達制御機構を解析、CCL5分泌減少にはAMPK活性化が、CXCL10分泌減少にはp38 MAPK活性化が関与していることを明らかとした。これらのマイオカイン抑制は、トレッドミルあるいはランニングホイールを用いた動物個体を用いた走行実験でも確認することができ、個体レベルでも見られる生理的現象であることが分かった。最後にCXCL10分泌減少の生理的意義を調べたところ、血管新生を促進することが明らかとなった。
以上、本研究によって、CCL5やCXCL10といった運動抑制性マイオカインを介した免疫機能調節機構の一端が明らかとなった。今後、これらマイオカインネットワークの研究をさらに進めることで、運動依存的な免疫機能調節をはじめとする全身への運動効果伝達のメカニズムがさらに明らかになることが期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of CCL5/RANTES as a novel contraction-reducible myokine in mouse skeletal muscle2018

    • 著者名/発表者名
      Ishiuchi Yuri、Sato Hitoshi、Komatsu Narumi、Kawaguchi Hideo、Matsuwaki Takashi、Yamanouchi Keitaro、Nishihara Masugi、Nedachi Taku
    • 雑誌名

      Cytokine

      巻: 108 ページ: 17~23

    • DOI

      10.1016/j.cyto.2018.03.012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Skeletal muscle cell contraction reduces a novel myokine, chemokine (C-X-C motif) ligand 10 (CXCL10): potential roles in exercise-regulated angiogenesis2018

    • 著者名/発表者名
      Ishiuchi Yuri、Sato Hitoshi、Tsujimura Kazuki、Kawaguchi Hideo、Matsuwaki Takashi、Yamanouchi Keitaro、Nishihara Masugi、Nedachi Taku
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 82 ページ: 97~105

    • DOI

      10.1080/09168451.2017.1411778

    • 査読あり
  • [学会発表] Temperature-dependent secretome profiling in C2C12 myotubes: potential roles of CXCL10 reduction by heat-dependent stress2018

    • 著者名/発表者名
      Yuri Ishiuchi, Kei Sato, Natsuki Fujinuma, Marie Miegebielle, Taku Nedachi
    • 学会等名
      2018 ASCB | EMBO Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 運動によって制御される骨格筋分泌因子群~マイオカインと細胞外小胞~2018

    • 著者名/発表者名
      根建 拓
    • 学会等名
      第1回 筋スマート社会コンソーシアム
    • 招待講演
  • [学会発表] 運動依存的な新規マイオカインの分泌変化及び発現制御メカニズム2018

    • 著者名/発表者名
      石内友里、根建 拓
    • 学会等名
      日本筋学会第4回学術集会
  • [図書] 骨格筋研究を核とした筋スマート社会2019

    • 著者名/発表者名
      根建 拓、石内友里
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      シーエムシー・リサーチ

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi