研究課題/領域番号 |
16K08080
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
江口 正浩 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門 細菌・寄生虫研究領域, 上級研究員 (00312215)
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研究分担者 |
小川 洋介 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門 細菌・寄生虫研究領域, 主任研究員 (10455305)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | サルモネラ |
研究実績の概要 |
本研究は、サルモネラ感染防御に関与する菌体成分を用いて、宿主の免疫応答を解析することを目的とする。得られた知見は、ワクチン投与により惹起する免疫担当細胞の活性化に必要な免疫賦活剤の検討や家畜を用いた臨床試験への応用が可能となり、実用化に向けた工程に寄与できる。 これまでに、我々は、サルモネラ経口感染防御に関わる有効な菌体成分の精製に国内外の研究機関に先駆けて成功した。精製したサルモネラ菌体成分は、新規ワクチン開発に寄与することができる。しかしながら、菌体成分免疫後に惹起される生体反応や菌の排除機構など不明な点が多い。そこで、本研究では、精製した菌体成分を介して惹起される免疫応答を解析し、菌体成分免疫後の生体反応や菌の排除機構を明らかにする。本年度は、感染防御に有効な菌体成分を免疫したマウス脾臓細胞により産生される各種サイトカインの定量および各種免疫担当細胞の増殖試験を実施した。感染防御に有効な菌体成分免疫後のマウス脾臓細胞は未免疫マウスの脾臓細胞と比較して、抗原刺激後のIFN-γおよびTNF-αの産生が上昇することを明らかにした。また、IFN-γおよびTNF-αが産生する細胞はCD8陽性T細胞およびCD4陽性T細胞から産生されていることを明らかにした。一方で、感染防御に有効な菌体成分を免疫したマウスに野生株を経口感染させた後の脾臓およびリンパ節内の免疫担当細胞の活性を検討したところ、未免疫マウスと比較して脾臓および各リンパ節内CD11b陽性細胞が増加していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染防御に有効な菌体成分を用いたin vitroによる免疫担当細胞の活性を検討する方法を確立させた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、感染防御に有効な菌体成分免疫後に増殖する免疫担当細胞の詳細な解析を様々な細胞表面マーカー抗体を用いて解析し、免疫担当細胞の特徴などを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
抗体を購入予定であったが、在庫がなく納品が2017年3月31日までに間に合わないと連絡があり、抗体購入費分(45,227円)をキャンセルし、次年度に再度、発注をかけることにした。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年4月1日に使用予定であった抗体購入費分(45,227円)を新たに発注する予定である。抗体が入り次第、優先的に抗体を用いた解析を実施して行く予定である。なお、本抗体の購入が若干遅れることになるが、実験計画に支障をきたすことはない。
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