研究課題
本研究では、2011年3月に東日本大震災に伴って爆発した福島第一原発から放出された放射性物質に被ばくした野生ニホンザルを対象に、筋肉中セシウム濃度を測定するとともに、臨床医学的検査および病理学的検査を行い、被ばくによる健康影響を明らかにする。2018年度は、福島市に生息するニホンザル200頭の死体を回収し、解剖分析および血液検査に供した。筋肉中放射性セシウム濃度は、ほとんどの個体で数十~数百Bq/kgを示し、2011年当時から徐々に低減しつつあるが、1000Bq/k近い個体も未だにいるため、高濃度に汚染した食物を摂取している可能性が示唆された。昨年度に公表した被ばく後の胎仔における脳の発達遅滞について、大脳皮質の組織学的観察を行った。また、被ばく個体の血球減少のメカニズムを明らかにする目的で、骨髄の組織学的観察を行った。
すべて 2018
すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)