研究課題/領域番号 |
16K08089
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
石原 章和 麻布大学, 獣医学部, 講師 (80707224)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 再生医療 / 神経治癒 / 皮膚線維芽細胞 / ウマ |
研究実績の概要 |
本研究では、神経分化を誘導した皮膚線維芽細胞を局所投与して、生体内環境を利用して神経系細胞に直接転換させ、簡便に臨床応用できる神経再生医療の基盤技術を確立させることを目的とした。 初年度の研究ではまず、馬の皮膚組織から皮膚線維芽細胞の分離を行った。生検パンチで採取した皮膚片から、真皮組織を分離して、二時間にわたるコラゲナーゼ酵素への攪拌浸透をすることで、多数の皮膚線維芽細胞を抽出した。この際、コラゲナーゼの濃度および攪拌時間を調整して、最大数の細胞を得られる条件を確立させた。このような細胞の抽出方法は、骨髄液や脂肪組織から行う細胞の抽出に比較して、手技的に簡易であり、侵襲性が非常に少ないことから、広範な臨床応用への意義が高いと考えられる。 次に、コラゲナーゼ分解で得られた細胞群から、フローサイトメトリーにて分化能を有する細胞を抽出する手法を検討した。この結果、CD90陽性細胞を選別して、その濃度を上げることが出来ることが証明された。これらの細胞は、無選別の細胞群に比較して、有意に優れた細胞増殖性を示しており、充分な数の移植細胞を得るのに有用であると予測されるのみならず、前駆細胞性を示すCD90(+)の割合を高めることが可能であったことから、組織再生能も優れていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、神経の再生医療に有用な細胞の抽出法を確立するという第一のステップが確立されており、当初の計画通りに進行していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、次のステップとして、当初の計画通り、インビトロ実験によって、即時的な遺伝子導入および成長因子作用の条件設定を検討し、神経系細胞への分化を誘導する最適条件を確立させることを目的とする。 そして、エクスビボ実験によって、脊髄組織内に移植された細胞の性状変化や機能を解析すると共に、最終的には、インビボ実験によって、自然発症モデルの馬における脊髄損傷の再生効果を評価することを目的とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費は当初の予定通りにほぼ全額執行しており、僅かな繰越高が発生したのみであった。
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次年度使用額の使用計画 |
繰越分は、次年度の細胞培養の試薬の購入にあてる。
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