ブロッコリーおよびソルガムの地上部と根の抽出液に存在する亜セレン酸および亜テルル酸還元酵素と、カタラーゼ並びにグルタチオンレダクターゼを活性染色法で比較解析した。 その結果、それぞれ少なくとも 5 種類の亜セレン酸および亜テルル酸還元活性を示すタンパク質が確認された。カタラーゼは、ソルガムの地上部に3 種類、根に2 種類存在し、ブロッコリーの地上部および根にそれぞれ 2 種類存在した。ソルガムの地上部では、亜セレン酸・亜テルル酸還元酵素のうちの 1 種類がカタラーゼと一致し、根では 2 種類一致した。 ブロッコリーの根では亜セレン酸・亜テルル酸還元酵素とカタラーゼが一致しなかったのに対して、地上部では 1 種類一致した。疎水クロマトグラフィーにより、ブロッコリー地上部およびソルガム根の亜テルル酸還元酵素を分画したところ、活性のピークはカタラーゼ活性と一致しなかった。同様に、グルタチオンレダクターゼの活性染色を行い、ブロッコリーおよびソルガムにおける分布を調べた。 その結果、ブロッコリーの地上部および根では、亜セレン酸・亜テルル酸還元酵素のひとつがグルタチオンレダクターゼと一致していた。ソルガムでも、地上部および根で亜セレン酸・亜テルル酸還元酵素のひとつがグルタチオンレダクターゼと一致していた。そこで次に、疎水クロマトグラフィーにより、ブロッコリーの亜セレン酸・亜テルル酸還元酵素を分画したところ、活性のピークはグルタチオンレダクターゼ活性と一致した。植物グルタチオンレダクターゼの亜セレン酸および亜テルル酸を基質としたときの活性を分光学的に比較したところ、 いずれの植物のグルタチオンレダクターゼはそれぞれ亜セレン酸および亜テルル酸を基質にしたとき、活性を示した。
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