SeおよびTeは、産業的にも安定供給が必要とされる元素であるが、いずれも専用鉱がない。それゆえ、国内での精錬SeおよびTeの確保は達成されつつあるが、いずれも異種鉱物に頼る供給形態であるため、環境中に排出されたSeおよびTe無機酸化物の有効な回収技術が必要とされている。また、東日本大震災に引き続き起こった原子力発電所の事故に伴い環境中に放出された膨大な量のTe放射性同位元素(132Te)はヨウ素へ壊変することから、生体・環境影響を考える上で、本元素の回収は緊急の課題である。本研究で得られた結果をさらに発展させていくことにより、以上の課題の解決が可能になるものと考える。
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