研究課題/領域番号 |
16K08131
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 友博 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (90316042)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 里山 / 生物多様性指標 / ドイツ / 神奈川県 / ランドスケープ / 生態系サービス |
研究実績の概要 |
平成28年度は生物多様性指標の検討とギーセン大学のVolkmar Wolters教授教授を中心とする研究プロジェクト (Sustainable futures for cultural landscapes of Japan an d Germany - biodiversity and ecosystem services as unifying concepts for the management of agricultural regions (以下JAGUAR)との連携を中心に進めた。まず、生物多様性指標の検討については、COMBと命名した土地利用の組み合わせ方を元に算出する生物多様性指標を考案し、トンボ類を対象にその有効性を検証した。その成果は、業績リストに挙げているように、日本学術会議の公開シンポジウム、日本生態学会全国大会等で発表し、現在論文化を進めている。また、神奈川県内においては、希少種であるオオタカを指標に、土地利用を始めとした環境要因と繁殖数の関係について明らかにし、英文誌のJournal of Raptor Researchに論文を投稿し、掲載が決定した。 JAGUARとの連携については、9月に研究代表者がマールブルク大学で開催されたドイツ・オーストリア・スイス生態学会(Wolters教授が会長を務める)の大会に参加し、国交省が近年進めてきており研究代表者が委員として作成に関わってきた日本の都市の生物多様性指標について研究発表し、プロジェクトの連携について、議論を進めた。10月と平成29年3月にはプロジェクトのコアメンバーであるマールブルク大学のStefan Hotes博士とギーセン大学の佐々木恵子博士研究員と慶應義塾大学で議論し、具体的な研究交流を進めている。特に生態系サービスの日独比較について研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は順調に進行している。特に、平成28年度中に英文誌に論文の掲載が決定したことは大きな成果であった。生物多様性指標の検討については、新たな指標が概ね固まり、その成果も発表することができた。平成29年度に論文を投稿したいと考えている。また、神奈川県を対象とした指標生物と環境要因の関係についても、論文化で期待外の研究の進行させることができた。加えて、ドイツのJAGUARとの連携も順調に進んでおり、ギーセン大学、マールブルク大学と密に連絡を取り、共同研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は順調に進行しているので、当初の計画に沿って推進していく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度中に購入予定であった物品の納品が業者の都合もあり、年度末ぎりぎりになってしまったため、支払いは平成29年度となった。
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次年度使用額の使用計画 |
物品(プリンター)は既に購入しているので、平成29年度に入りすぐに処理することに加え、消耗品も購入するので、次年度使用額となった予算は平成29年度初めに使用予定である。
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