研究課題
平成28年度に引き続きギーセン大学のVolkmar Wolters教授を中心とする研究プロジェクト (Sustainable futures for cultural landscapes of Japan an d Germany - biodiversity and ecosystem services as unifying concepts for the management of agricultural regions (以下JAGUAR)と連携するとともに、マールブルク大学Stefan Hotes博士とも連携し、研究を遂行した。特に、Hotes博士とは2018年2月に東京で打ち合わせし、3月にはギーセンで佐々木恵子氏と打ち合わせをした。その結果、日本の農村地域の生態系サービスと生物多様性を比較した研究を近々投稿できることになった。国内においては、研究代表者が国土交通省の国レベルの都市の生物多様性指標作成に協力を行ってきたが、その成果が公表されたことを受けて、日本造園学会の学会誌に特集を企画し、出版された。指標作成に関わってきた研究者と高い評価を受けた自治体の先行事例を掲載するとともに、批判的な視点から利害関係のない研究者にも議論していただいた。ここで採用された指標は、汎用性の高いもので、学術的な価値はそれほど高くないが、全国600を超える都市で実現できたことは非常に貴重で、世界的にも例を見ない。加えて、個々の分類群の生物多様性指標研究としては、オオタカを指標とした研究で都市に増加しつつある要因を食性の視点から明らかにしたものが採択され、近々日本鳥学会の国際誌に掲載予定である。また、都市のトンボ類を対象とした研究も日本造園学会に投稿中で、こちらもほぼ採択の状態である。
2: おおむね順調に進展している
研究は順調に進行している。特に、ギーセン大学、マールブルク大学とは密に連絡を取り合って研究を進めており、ドイツ側ではAGUARの次のプロジェクトの準備が進んでおり、こちらにも研究代表者が日本側の窓口として、支援をしている。国内において進めている研究では、成果が論文としてまとまり、公表されつつあり、3年間の研究期間で多くの査読付き論文を発表できる予定である。
本研究は順調に進行しているので、当初の計画に沿って推進していく方針である。
ギーセン大学、マールブルク大学の研究者と研究打合せを行うための海外旅費を平成29年度末に予定していたが、研究協力者が日本に滞在する機会があったことと、別の予算の出張でドイツに行った際に、合わせて打合せをすることができた結果、予定していた旅費分を次年度に繰り越すことになった。平成30年度に改めて訪問する予定であるので、海外旅費として使用予定である。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
Ornithological Science
巻: 17 ページ: 229-236
10.2326/osj.17.229
ランドスケープ研究
巻: 41 ページ: 336-337