研究課題
本研究は、失われた建造物を含んだ原景観の再現を目指し、申請者が提案した写真測量法による建造物の復元手法によって得られる3次元情報を応用し、建造物およびその周辺の景観を可能な限り現実に近い形で再現することを目的とするものである。平成30年度は、写真測量技術の中でも特にUAV(Unmanned Aerial Vehicle)写真測量に注目し、地物の3次元情報取得に取り組んだ。まず、建造物周辺にてUAVによる測量を適用するために、計測精度の検証を実施した。その結果、検証した複数の対地高度およびオーバラップ率においては、ほぼ一定の精度が得られることが確認された。このことから、UAVによる測量においては、機体の飛行方法にある程度の柔軟性を持たせることが可能であるものと推測される。そのため、対地高度や飛行時間等に制約が生じるような対象地においてもUAVを適用できる可能性があり、UAVによる測量に対する応用性の拡大が期待される。また、具体的な適用対象地として、建造物が取り壊された後の広場や、かつて山城が存在した丘陵地帯に対するUAVによる測量の応用を行った。その結果、いずれの対象地においても効率的に3次元データを取得し、3Dモデリングを行うことが可能であった。このような3次元データはそれぞれの対象地の状況に合わせて柔軟に扱うことが可能であり、UAVによってデータを簡便に取得できることは有用性が高いと考えられる。本研究の成果により、失われた建造物を含む空間の再現は可能になったといえ、今後は多くの遺構等に対する応用が期待される。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
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