本研究は、適切な形質転換イネの根にクサネム根粒菌を接種することにより、共生窒素固定根粒を形成させることを目標とした。まず、クサネムAeschynomene indica根粒から根粒菌を選抜する過程において、Ralstonia属の新種を偶然発見した。さらに選抜を繰り返した結果、真の根粒菌Bradyrhizobium 2系統を単離できた。一方、ダイズのレグヘモグロビンプロモーターの下流にレグヘモグロビンcDNAやタンパク質リン酸化酵素(CCaMK)遺伝子を繋いだ融合遺伝子をそれぞれ形質転換ベクターに組み入れ、アグロバクテリウムに導入した。それゆえ当初の計画どおり形質転換イネを作成する道が開かれた。
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