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2018 年度 実績報告書

トリクロロシリル基を配位性活性化基とする連続分子変換法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K08168
研究機関熊本大学

研究代表者

小谷 俊介  熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (50551280)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード有機化学 / 有機分子触媒 / 触媒反応 / ホスフィンオキシド / カルボン酸 / アルドール反応 / 連続反応
研究実績の概要

本研究課題の最終年度にあたる平成30年度は、昨年度見出したカルボン酸の触媒的不斉アルドール反応を中心に反応開発を行った。まず、高い立体選択性が得られることを明らかとした本反応の基質適用範囲について確認を行った。その結果、20のエントリーで85%以上、最大で96%のエナンチオ選択性を得ることに成功した。特にこれまで反応性を得ることが難しかった脂肪族アルデヒドを本反応の基質としても良好な化学収率および光学収率にて目的物が得られることがわかった。本研究内容はIFが12を超える学術誌にて受理され、本研究課題の有用性を広く周知することができたと考えている。さらに、反応機構に関する調査を実施した結果、本反応には四塩化ケイ素2分子が関与して進行していることを明らかとした。さらに、化学選択性に関する調査を行ったところ、本反応条件は一般に活性化しづらいカルボン酸官能基を優先して活性化できることがわかった。この特異な官能基選択性を利用して、連続的な分子内環化を行うことで、通常では得られない二環性構造を有する環状ラクトンを立体選択的に得ることにも成功した。通常とは異なるユニークな反応性は、本研究課題の有用性・独自性を示すものとなると考えている。今後は本研究課題で得られた成果を利用した天然物の効率的な合成へと展開する予定である。また、独自に見出した四塩化ケイ素による活性法を駆使することで、不斉共役付加反応(最大で83%ee)やケトンとのアルドール反応(最大で88%ee)などが進行することを明らかとしており、本研究課題を基軸として新たな研究展開が可能となる重要な知見を得ることにも成功した。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Catalytic Enantioselective Aldol Reactions of Unprotected Carboxylic Acids under Phosphine Oxide Catalysis2018

    • 著者名/発表者名
      Kotani Shunsuke、Yoshiwara Yusaku、Ogasawara Masamichi、Sugiura Masaharu、Nakajima Makoto
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: 57 ページ: 15877~15881

    • DOI

      10.1002/anie.201810599

    • 査読あり
  • [学会発表] キラルなホスフィンオキシドを触媒とするカルボン酸の不斉反応の開発2019

    • 著者名/発表者名
      吉原勇作, 小谷俊介,中島誠
    • 学会等名
      日本薬学会第139回年会
  • [学会発表] リチウムビナフトラート触媒による不斉アルドール-Tishchenko反応の開発とその反応機構解析2019

    • 著者名/発表者名
      浅野聡文, 小谷俊介,中島誠
    • 学会等名
      日本薬学会第139回年会
  • [学会発表] α,β-不飽和アミドを求電子剤とするMichael反応の開発2019

    • 著者名/発表者名
      下田康嗣, 坂本翠, 浅野聡文, 関本恵里佳, 小谷俊介, 中島誠
    • 学会等名
      日本薬学会第139回年会
  • [学会発表] Asymmetric aldol reaction of carboxylic acids using chiral phosphine oxide/silicon tetrachloride2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshiwara Yusaku, Shunsuke Kotani, Masaharu Sugiura, Makoto Nakajima
    • 学会等名
      Symposium on Molecular Chirality 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] ホスフィンオキシド/四塩化ケイ素を用いたカルボン酸の不斉アルドール反応の開発2018

    • 著者名/発表者名
      吉原勇作、小谷俊介、杉浦正晴、中島誠
    • 学会等名
      第55回化学関連支部合同九州大会
  • [学会発表] リチウムビナフトラートを触媒とする不斉アルドール-Tishchenko反応を活用した光学活含フッ素化合物合成法の開発2018

    • 著者名/発表者名
      浅野聡文、小谷俊介、中島誠
    • 学会等名
      第55回化学関連支部合同九州大会
  • [学会発表] Asymmetric aldol reaction of carboxylic acids under phosphine oxide catalysis2018

    • 著者名/発表者名
      Yusaku Yoshiwara, Shunsuke Kotani, Makoto Nakajima
    • 学会等名
      IKCOC-14
    • 国際学会
  • [学会発表] Stereoselective Synthesis of 2-Fluoro-1,3-diols Using Lithium Binaphtholate- catalyzed Asymmetric Aldol-Tishchenko Reaction2018

    • 著者名/発表者名
      Toshifumi Asano , Shunsuke Kotani, Makoto Nakajima
    • 学会等名
      IKCOC-14
    • 国際学会
  • [学会発表] キラルな高配位ケイ素複合体で実現する不斉アルドール反応2018

    • 著者名/発表者名
      小谷俊介
    • 学会等名
      第10回有機系教員勉強会

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公開日: 2019-12-27  

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