研究課題
基盤研究(C)
有機合成において、多様な有用骨格を環境負荷が低い手法で合成することが望まれる。我々は、安価な鉄触媒や、容易に回収・再利用できる不均一系白金族触媒を用いた芳香族化合物群の多様な合成法を開発した。また、廃棄物が中性であることは、反応媒体(容器)の劣化を抑制するのみならず反応処理操作を簡略化できるため有用である。今回開発した手法は、水・メタノール・シラノール・水素などの中性廃棄物が副生するのみであり、従来では構築できない芳香族化合物を容易に合成可能とした。
有機化学
人類の持続可能な生活を維持する上で、豊富に存在する資源を利用することや、稀少資源の再利用が重要となる。鉄は安価で安全であり、白金族を用いた触媒は何度も回収・再利用可能である。また、中性廃棄物は環境への負荷が低く、大量合成などへの実用的な応用が可能となる。芳香族化合物は様々な機能性材料や医薬品の母核であり、今回開発した手法を用いることで、新たな機能性候補化合物の合成が可能となり、社会の発展へと繋がる。