天然ポリ環状エーテル化合物は、5ー9員環が梯子状に縮環した構造を持ち、多くのものが顕著な生物活性を示す。これらの合成上の課題は、エーテル環の立体選択的合成、中員環の形成、多環連続構造の構築など、高い選択性、簡便性、効率性を兼備した合成法を開発する必要がある。全合成法の確立は、天然からごく微量しか得られない生物活性ポリ環状エーテルの供給につながり、バイオロジーと連携して生物活性の謎を解明することにもつながる。本研究は独自に開発したオキシラニルアニオン法を基盤とした効率的な[X+2+Y]型収束合成法を用いた合成研究であり、研究用試料供給に向けて合成研究を推進する意義は大きい。
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