近年、膵臓の病気である糖尿病においては、合併症である腎症からさらには慢性腎不全に移行し、透析が必要となる患者の数が急増する等の問題が生じている。通常、腎臓、脳等の臓器間には密接かつ精巧な機能的連関があり、生体内恒常性が維持されている。しかし、疾患発症時においては、この連関が仇となり合併症を引き起こすものと考えられる。疾患時における他の臓器に与える影響を解明し、負の連関を選択的に断ち切ることは、合併症の予防につながり、さらには合併症治療薬開発等の創薬への応用展開へ重要な役割を果たすものと期待される。
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